笠松先輩と .

□笠松先輩とバレンタイン
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「えぇ!!」

朝練前の部室に俺が手に持った紙袋を見て驚いたような声が大きく響く。

「でけぇ声出すんじゃねぇーよ!シバくぞ。」

バシっと思い切り頭を殴れば
ちょ、今のは超痛いっス!!と半泣きで訴えてくる後輩。

黄瀬涼太。

「これってまさかチョコレート?女の子からもらったチョコレートっスか?」

きちんと紙袋に入れられたソレを黄瀬がまじまじと見てくるから
自分のロッカーに丁寧にしまう。

「どこで誰からもらったんスか?」

期待に満ち溢れた顔で質問してくる黄瀬に

「駅の近くの公園で他校の奴に。」

と、答える。

「可愛い子だったんスか?」

いきなり俺の顔を覗き込んで聞いてくる黄瀬に

「はぁ?」

と、睨んでやるものの

「いやだってなんか先輩嬉しそうだから。」

なんてヘラっと笑う。



殴りてぇ。






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