ハンター試験編

□5話:飛行船
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合格者ゼロの結果に受験生達は、当然誰一人納得のいく者はいなかった。


中には机を壊し、暴れる受験生もいたがメンチは頑なに決断を変えない。


すると、突然空からハンター協会のマークが付いた飛行船が現れ、一人の老人が飛行船から飛び降りる。


余裕な面持ちで地に足をついた老人は、審査委員会ネテロ会長 ハンター試験の最高責任者だった。


合格者ゼロ人の結果にネテロ会長は審査員メンチにも実演との形で試験をやり直すことを命じた。


試験の課題は“ゆで卵”。


内容は、マフタツ山に生息するクモワシの卵を崖から飛び降りて取って帰り、ゆで卵を作るという単純なテスト。


リリー達5人は無事に二次試験を合格した。


第二次試験 後半
メンチのメニュー 合格者43名。




――――――…



「お疲れ様でした。次の目的地へは明日の朝8時到着予定です。こちらから連絡するまで各自、自由に時間をお使い下さい」


合格した受験生達は、ぐったりしてそれぞれ床に座った。


ゴンとキルアは嬉しそうに飛行船の中を探検しに行く。


元気そうな二人を見たレオリオは、疲れ果てた口調で話す。


「元気な奴ら…オレはとにかく、ぐっすり寝てーぜ」


「私もだ。恐ろしく長い一日だった」


『わたしも…』


レオリオ、クラピカ、リリーの三人は広間の壁に寄り掛かって座った。


クラピカの隣にくっついて座るリリーにクラピカは尋ねた。


「リリーはゴン達と探検しに行かないのか?」


『ううん、疲れたもん…それにクラピカと、一緒にいたいし』


リリーは少し照れながら話すとクラピカを見つめにっこり微笑む。


それを聞いたレオリオは、内心驚いた。


「(おいおい!リリーはクラピカが好きなのか!?オレはオジャマだってかァ?)」


レオリオは席を外そうかと思った瞬間、クラピカが立ち上がる。


「すまないが…私は別の場所で休む」


クラピカは素っ気なくリリー達の傍から離れていった。


「なんなんだアイツ…リリー気にすんな。クラピカはちと変わりもんだからなァ」


『うん…』


リリーは少し暗い表情でレオリオの励ましに頷いた。


クラピカ…


わたし、なにかいけないことでも言ったかな?


そういえば…


クラピカってわたしと全然目を合わせてくれないし、なんだか冷たい。


もしかして、わたしのことが嫌いなのかな…?


リリーはクラピカが気になって眠れず、あれから30分が経過した。


レオリオは隣でぐっすり眠っている。


リリーは立ち上がり、クラピカを探しに歩き出した。



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