ハンター試験編

□4話:料理の課題
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トランプを手に取り、怪しい笑みを浮かべて段々と近づく奇術師ヒソカ。


あ…この人!


地下道でぶつかった人だ!!


リリーは目を見開いた。


先ほど襲いかかってきたトランプで受験生数人が無惨に血を流し倒れている。


リリー達は戦う体勢を整えながら、ただひたすらヒソカの行動を監視した。


「二次試験ぐらいまでは大人しくしてようかと思ってたけど、試験があまりにタルいんでさ◆選考作業を手伝ってやろうと思ってね★ボクが君達を判定してやるよ◆」


その言葉を聞いた20人程の受験生達は、怒りと殺意が湧きヒソカに一斉に襲いかかる。


「君達まとめてこれ一枚で十分かな◆」


ヒソカはトランプ一枚で次々と襲いかかってくる受験生達を切り刻み、たった数秒で全員を倒してしまった。


リリーは目の前で初めて人が殺される場面を見て、恐怖の余り自分の前にいたクラピカの服をぎゅっと掴んだ。


クラピカはリリーに 無惨な死体を見せないように自分の背中で隠す。


「君ら全員不合格だね◆残りは君達4人だけ★」


ヒソカが指を指したのは、傷口を押さえるレオリオとクラピカ、リリー、76番の受験生。


するとヒソカは、リリーを見つめると再び笑みを浮かべて口を開いた。


「おや?やっぱりキミだったのか★偶然だなぁ…◆まさかこんな場所でキミに出会えるとは★キミのこと探していたよ?」


ヒソカは不気味な笑みでゆっくりとリリーに近づいてくる。


「なに!?リリー、コイツと知り合いか!?」


レオリオは慌ててリリーを疑う。


リリーは激しく首を横に振って強く否定した。


『全然!!知らないよ!!』


なんでわたしのこと知ってるの!?


どうしよう…!!


こっちに来るよ…!!


内心焦り出すリリー達に受験生が口を開く。


「おい、オレが合図をしたらバラバラに逃げるんだ。 奴は強い…!!今のオレ達が4人がかりで戦おうが勝ち目はないだろう。お前達も強い目的があってハンターを目指しているんだろう。悔しいだろうが今は…ここは退くんだ!!」


リリー達はタイミングを見計らって唾を飲む。


そして…


「今だ!!」


リリー達は一斉にバラバラに走り出した。


「なるほど、好判断だ◆ご褒美に10秒待ってやるよ★」


ヒソカは立ち止まりゆっくり1から数えだす。


10秒数え終わり、再び歩き始めたヒソカの前に現れたのは…


傷口を布で縛り、長い棒を持ったレオリオの姿だった。


「やっぱだめだわ。こちらとらやられっぱなしでガマン出来るほど…気ィ長くねーんだよォオ――!!」


レオリオは棒を構えながらヒソカに向かって走り出す。


レオリオの勢いよく降り下ろした棒をヒソカが避け、レオリオの頭を掴もうとした瞬間…


ドコッ!!


突然ヒソカの頭に釣りざおの先が当たった。


「ゴン!!」


息を切らしたゴンが釣りざおを構えてヒソカを見つめる。


ヒソカは首をぐるんとゴンに向けると近づいた。


それを見たレオリオは再びヒソカに襲いかかる。


するとヒソカはレオリオの顔を手加減無しで殴り飛ばした。


ゴンは再びヒソカに向かって釣りざおを振る。


一瞬ヒソカの姿が消え、気がつけばヒソカはゴンの首を掴んでまじまじと顔を見つめた。


「……うん★合格◆いいハンターになりなよ◆」


ヒソカは笑顔でこう告げるとかかってきた電話に出た。


用件を済ませるとヒソカはレオリオを肩に担ぐ。


「大丈夫◆殺しちゃいないよ★彼は合格だから◆一人で戻れるかい?」


ゴンは頷くと「いいコだ◆」の一言を残しレオリオを連れて霧の中に消えていった。


『ゴン!!』


リリーとクラピカはゴンの元へ駆け付ける。


リリー達が見た光景は、レオリオの姿がなく、気が抜けてヘタっと膝をつくゴンの姿だった―――…












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