クールな彼に恋をした。

□転校生
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ビビビ…♪


スマホのアラームが鳴る音。


私は目をこすり、アラームを止めて重たい体を起こした。


ね、眠い…(汗)


でも起きないと…


今は、いつも寝ている時間の1時間ばかり早い時間。


外はもう太陽が出ているけど、まだお日様は低い位置にいる。


私はベッドから降りて、そっと部屋から出た。


そして物音をたてないように、階段を下りて、洗面所へ向かった。


クラピカと暮らし始めてから、まだ2日。


今日は同居してから、初めての学校だった。


バシャッ


ジャーーー…


顔を洗い、ボサボサの髪を直す。


こんな寝起きで髪ボサボサで、すっぴん&もろ部屋着の姿を、クラピカに見せられない…(汗)


これが、私が早起きした理由。


自分の用事が終わり、洗濯かごの衣類を洗濯機に入れ、棚から洗剤を出す。


洗濯機の中の衣類は、いつもより倍多い。


それは、クラピカとクラウスくんの衣類が増えたから、当然の事だった。


本当に…


クラピカと同居してるんだ私…


どこかで、まだ夢じゃないかって思ってる。


私は洗濯機に洗剤を入れて、スイッチを入れた。


バタン…


脱衣所から出て、着替えをしようとまた2階へ上がる。


しーんと静まり返る廊下…


まだ、誰も起きてないみたい。


私の隣の部屋のドアを見る。


この部屋には、クラピカがいる。


…多分?


やっぱりまだ、信じられないや。


私は部屋に入り、部屋着を脱いで制服に着替え、メイク道具の入ったポーチを出す。


部屋着って言っても…中学の時のジャージなんだよね(笑)


かわいい部屋着持ってないから、買おうかな。


脱いだジャージを見つめ、頭の片隅でそんなことを思う。


クラピカに見られたくないものばっかりだよ…


ジャージ姿とか寝起きとか、すっぴんとか…


男と一緒に暮らすって、すごく気を使うんだなぁ。


クラピカと暮らせて、嬉しんだけどさ…。


ん?嬉しい?


私…クラピカと暮らせて、嬉しいと思ってるの?


ということは…


お母さんの言うように


私…クラピカのこと…


カァァ////


恥ずかしくなって、ひとりなのに顔を赤らめてしまう。


私…やっぱり…


クラピカのこと…好きなんだ…。


隣の部屋にクラピカがいると思うと…


緊張して…


ドキドキして…


でも嬉しくて…


それって…


好きってことだよね…


カァァァ////


顔は更に赤くなる。


こんな気持ち、生まれて初めてかも…


早起きして、一人で部屋にいるときに…クラピカのことが好きなんだって気づくなんて…


ちょっとイタイ…?


それに暗いかな。


でも、いいや。


私…クラピカのこと好きなんだぁ…


それに気づいたのは、恥ずかしいけど…


嬉しい。



少し気持ちが落ち着いた後、メイクに取りかかったが、なんだか今日はうまくメイクできなかった。


クラピカに対する自分の気持ちが分かったから、浮かれてんのかな、私…


カッコ悪…。


ガチャ…


メイクと髪のセットが終わり、朝食の用意をしようと再び部屋を出る…


もうそろそろ…莉子が起きて来る時間かな?


ドアをそっと開け、足音を立てずに廊下を出ると…


「…おはよう」


ビクーーーーーーッ!!


部屋を出てドアを閉めようとした時…横から急に、クラピカが顔を出した。



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