ハンター試験編

□11話:ゼビル島
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――――


――――――…



あれから飛行船で休息を十分に取ったリリー達と受験生は、ゼビル島に到着した。


そして試験官から4次試験の説明を受けていた。


「諸君、軍艦島脱出おめでとう。残る試験は4次試験と最終試験のみ。4次試験はゼビル島にて行われる」


すると、試験官が何やら穴の空いた箱を用意してきた。


「これからクジを引いてもらう。このクジで決定するのは、狩る者と狩られる者。
この中には、25枚のナンバーカード、今残っている諸君らの受験番号が入っている。今からタワーを脱出した順に一枚ずつ引いてもらおう」


ヒソカから順番にクジを一枚ずつ引いていく。


そして、リリーの順番が回ってきた。


緊張しながら一枚のクジを引く。


リリーは引いたクジの番号を見ると、目を見開いて固まった。


全員が引き終わり、試験官は再び説明を始める。


「今、諸君がそれぞれ何番のカードを引いたのかは全てこの機械に記憶されている。なのでそのカードは処分して結構。
それぞれのカードに示された番号の受験生が…

それぞれの獲物(ターゲット)だ。

奪うのは、獲物のナンバープレート。
自分の獲物となる受験生のナンバープレートは3点。
自分自身のナンバープレートも3点。
それ以外のナンバープレートは1点。
最終試験に進むために必要な点数は、6点。

ゼビル島での滞在期間中(7日間)に6点分のナンバープレートを集めること」


見開かれたままのリリーの瞼が、大きく震える。


リリーが手にしたクジの番号(ターゲット)は……







404番


クラピカだった―――…












ゼビル島に向かう舟の中、受験生達の戦いは既に始まっていた。


誰とはなく自分のプレートは胸からはずし、懐にしまい込んでいた。


皆は誰とも視線をあわせず情報を遮断した。


リリーは海を眺めながら一人落ち込んでいる。


はぁー…


本当にわたしって、クジ運悪いなぁ。


なんで寄りによってクラピカのを引いちゃうんだろ…。


もちろんクラピカのナンバープレートは奪えないし…


3点分、自力で集めるしかないよね。


3人も奪えるかな…??


リリーはそのままうつむいて、重い息を吐いた。


「リリーー!!」


呼ばれた方へ振り返るとゴンとキルアが舟の端でもたれ掛かって座っている。


リリーはゴン達の元へ向かった。


『なにー??』


「あのさ、3人でせーので見せっこしない?」


『え…』


「安心しろよ、オレとゴンの獲物は303番(リリー)じゃない」


ゴンとキルアはリリーを座らせると、3人はかけ声の「せーの」と同時にクジを見せた。


沈黙が続いた中、キルアが最初に口を開く。


「……マジ?お前らクジ運ないなー」


「やっぱり?」


『だよね…』


「お前クラピカのことばっかり考えてるから引くんだよ」


『しっ!声でかいよ!』


キルアの言葉にリリーは慌てて止めた。


それより、ゴンはヒソカなんだ…。


お互いクジ運悪いね。


落ち込んでいるリリーにゴンは尋ねる。


「リリーはそのプレート奪うの? 」


『ううん、大事な仲間だもん。奪えないよ。頑張って3つゲットする』


「大丈夫かよ、お前一人じゃムリだろ?強がんなって」


『別に強がってないもん!』


けど、一週間も島で滞在って女子にとってかなりキツイなぁ…。


トイレもないし、シャワーもないし…


食糧も水もないでしょ??


あ!夜とかどうしよう…!!


怖いのやだなぁ…(泣)


色んなことに不安がどんどん増していくリリー。


隣のゴンはキルアのクジを手に取る。


「キルアの…これ誰の番号(199)だっけ?」


「やっぱしわかんねー?他の奴の番号なんか全部覚えちゃいないもんな。もうみんなプレートかくしてやんの、せこいよなー」


キルアはゴンを見てはっとした。


ゴンは前をまっすぐ見つめ、両手を合わせて震えている。


「嬉しいのか怖いのかどっちなんだ?」


キルアの質問に一瞬考えるゴンは静かに答える。


「両方…かな。これがもしただの決闘だったらオレに勝ち目はなかっただろうけど、プレートを奪えばいいってことなら何か方法があるはず。今のオレでも…少しはチャンスがある。そう思うとさ怖いけど…やりがいはあるよ」


…そっか。


ゴンは強いね。


ダメだなぁ…


いつまでも落ち込んでたら。


わたしも前向きに頑張らないとね!


『ゴン、ありがと。落ち込んでたって仕方ないもんね!わたしもゴンを見習ってがんばるよ!!』


笑顔になったリリーを見て、キルアも軽く微笑む。


「ま、がんばろうぜ。生き残れよ!ゴン、リリー」


立ち上がって言ったキルアに、ゴンとリリーは笑顔で親指をたてた―――…






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