第1章

□転校 !?
1ページ/7ページ




桜が舞い散る季節


4月に入り2週間が過ぎた。


鏡の前に立つ“俺”


今日から私は男になる…。


って、性転換って意味じゃないからね!!


男装してるのさッッ!!


なぜかというと…。


遡ること、昨日の晩――…





ミト「リン〜クロロ〜!夕御飯だから降りてらっしゃ〜い♪」


ドタドタドタ…


いつも通り夕御飯の時間に呼ばれ階段を降りていった。


『今日のご飯な〜に〜??』


ミト「リンの大好きなハンバーグよ〜♪」


『やったぁ♪』


母の名前はミト。


年齢は聞いても教えてくれないから分からないけど、たぶん30代…かな?


元女優で美人だけど、脳天気でたまにキレると怖い人。


ミト「今から言う大事な話を二人共ちゃんと聞いてくれなきゃご飯は、お・あ・ず・けっ」


ママは語尾にハートがつくくらいお茶目に言った。


『えぇー…。ママがお預けする時って毎回嫌な事ばかりな気がするー。』


私は頬を膨らましながら顎をテーブルの上に乗せた。


私の席の前にはご飯とみそ汁オンリー


つまり、おあづけをくらっている。


クロロ「良い歳こいて何が“お・あ・づ・け”だ」


ミト「あ゙ぁ゙!?何か言ったかコラ」


クロロ「いや、な、なんでもない……」


『お兄ちゃん、逆らったら背負い投げされるよー』


そう。


ママの言う事は絶対。


逆らったらミラクルスーパー背負い投げをくらう事になる。


ミト「それより言う事聞かなきゃ夕飯無〜し♪」


『分かったよォー…。聞けば良いんでしょ??』


ミト「さすがリンちゃん♪」


ママはテンションを上げながら、私の頬をツンと突いた。


ミト「大事な話っていうのはね…私再婚するの!!」


『「……………………ハ?」』


リン、クロロは吃驚し、口を開けたまま固まった。


ミト「それでね、再婚相手の方がハンター学園の理事長さんなんだけど、ご好意で2人共学費はタダで通わせてくれるっていうからハンター学園に転校してね♪」


『え!?今の高校に入ってまだ2週間しか経ってないのに!?』


しかもハンター学園って………男子校じゃなかったっけ?


「ハンター学園は男子校だからリンちゃんは男装してってね♪」


『「ハァ!!!???」』


またしても私たち兄妹の声が揃った。


クロロ「俺はまだしも、リンは女の子だろ!!狼の群れに大事な娘放り込む親が何処にいるんだよ!!」


ミト「男装すれば良い話でしょ。それにお相手のリニアさんは本当に良い人なのよ!!お願いだから!!!」


ママは目に涙を浮かべ私たちに頭を下げて言った。


『わわわ分かったから顔あげてッママ!!』


私は涙をポロリと流しているママに駆け寄った。


ミト「フフフ…」


『「!!!???」』


ママがいきなり黒い笑みを浮かべた。


ミト「まぁ〜とっくに転入手続きしちゃったから拒否権は無いけどね〜♪」


……………………………。


『「ハァ〜………」』


ミト「って事で明日からハンター学園に通ってね〜♪」


『ハイハイ、分かったよ(汗』


私は頭を抱えながら、椅子に座り直した。


.
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ