天飯小説
□兄弟水入らずの夜 2
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悟天の問いに悟飯は
『・・・あ?ああ。
実はカレーを作ろうとしたんだ。
あれなら、兄ちゃんにも作れそうな気がして・・・』
と、答える。
しかし。
気がした・・・けど、気がした・・・だけで、現実は野菜を切るところで、既につまづいてしまっている。
悟飯の言葉に
『・・・そう』
と、そう呟くと、まな板に転がっている、悟飯が切った無惨な野菜の残骸に視線を向ける。
そして、それをひとつ摘まみ、意地の悪い笑顔を浮かべると
『・・・とりあえず、まずはさ。
きちんと野菜を切れるようになることから、始めた方がいいんじゃない?
カレーうんぬんはそれからだよ』
と、からかうような口調でいう。
『・・・・う』
と、悟飯は言葉に詰まる。
それから、少し上目遣い気味で
『・・・意地悪』
と、返す。