天飯小説
□兄弟水入らずの夜 2
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悟天は手際良く野菜を切っていく。
当然ながら、悟天に切られた野菜は、とてもきれいに切られていて、悟飯に無惨な形に切られた野菜の残骸とは、比べ物にならないものだった。
そして、悟天が器用に野菜を切っていくその姿に悟飯は、
『へぇ?うまいこと切るもんだな。
お前にこんな才能があったなんて、兄ちゃん知らなかったよ』
と、感心してほめる。
悟飯にほめられて悟天は嬉しそうな、だけど、どこか照れ臭そうな表情を浮かべ、
『まあね』
と、返す。
そんな悟天に
『でも、一体いつそんなの身に着けたんだ?』
お前が家で料理作っている姿みた事ないのに
と、少し不思議そうな表情を浮かべて尋ねる悟飯に、
『ああ・・・まあ、バイトで・・・』
と、いいかける。
それを聞いた悟飯が少し怪訝な表情を浮かべ
『・・・・バイトって?』
と、返してきたので悟天は慌てて
『あ、いや、何でもないよ』
と、言うと、
『と・・・ところで、兄ちゃん。
何をつくる積もりだったの?
材料見れば、カレーか、シチューか、肉じゃがっぽいんだけど。
兄ちゃんはその中の何かをつくる積もりだったんだよね?』
と、誤魔化すように尋ねる。