水中の廃人

□焦り
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「今日一日で、行動パターンは掴めたぜ、ベイビィがよくやったよ」
そのメローネの言葉にプロシュートがそうかと言おうとした時だった。船内全体に放送をする合図が響き渡った。
その合図で四人は一気に静まり返った。そして、スピーカーの口から裕福な男の声が響いた。

「お知らせします。
今回の旅ですが、試行錯誤した結果、危ない危険だと判断し、中止となりました。誠に申し訳ございません。

なお、港に到着するのは、一日後となりますので、それまでどうかお楽しみください」

放送が止んだ瞬間、四人の考えは一致した。既に勘づかれていると、逃げるつもりだと。
そして、明日が勝負になると。

「仕掛けるのは明日だな」
「そうね」
「イルーゾォできるか? 」
「ん、まぁ問題ないと思うけど」

そして、日が明けた。
三人はイルーゾォを待って、それぞれのことをしている。
名無しさんは本を読み、プロシュートは珈琲を口にして、メローネはソファーに座っている。
そして、三人とも時折鏡を確認する。

それから数分後、イルーゾォが突然鏡から姿を表した。
「大変だ!ダミーだった。対象が小型ボートで海へ逃げた!」
「はぁ!?さっさと追いかけるぞ!」
四人がドアを開けようとした時だった。開かないはずのドアが一人でに開いた。

そこから、一人の青年が出てきたのだ。
その青年はメローネが以前見かけた途轍もないオーラを放った青年だった。
「いかせるかよ」
「なっ……!」
すると、名無しさんがプロシュートに向かって告げる。
「船は私が適任だから、任せて」
「仕方ねぇな。おいイルーゾォ、連れて行ってやれ! 」
「わかったよ、マン・イン・ザ・ミラー! 」
イルーゾォがスタンド名を叫ぶと同時にイルーゾォと名無しさんは鏡の中へ引き込まれて行った。
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