水中の廃人

□その手の意味と
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「しかしまぁ、リーダーもよくこんな若い、しかも女の子いれたね」
「いや、雇う際の情報が一切なかったんだ」
と、リゾットが口にした瞬間、質問をしたジェラートも含め全員一斉に、はぁ?と聞き返す。
リゾットは、若干戸惑うと、再び口を開いた。

「すまない」
「つまり、リーダーですら彼女のスタンドを知らないってことかよ」
「そういうことになるな」
「プロシュートの言うとうり、リーダーが知らないでどうするんだ?」
リゾットの言葉の後、次々にメンバーが言葉を発していく中名無しさんだけが冷静さを保ちつつ、みんなを見つめて、ため息をついた。

「せめて、名前だけでも」
「仕方ないですね。私のスタンドの名前は、【フィッシャーズ】」
と、名無しさんは自分のスタンドの名前を静かに言う。
そして、能力はご自分の目で、確かめてください。と、付け加える。

全員が現在の場所から移動しようとした時だった。リゾットがみんなを呼び止めた。
「すまない。緊急を要する任務だ」
全員なんだなんだと、リゾットの元に集まる。すると、リゾットは眉間にしわを寄せ、少し待て、と言う。
全員が一枚の書を持つリゾットを眺めている。

「船上の豪華客船へ乗ったターゲットの暗殺のため、潜入、だと?」
「これは、外見を要する任務だろ」
「あぁ、あと指定人数が四人だ」
プロシュートが口にした言葉の通り、豪華客船のため、外見が必須の任務であり、一人では不自然なため、四人が条件だった。
人数は、それ以上でもそれ以下でも駄目だという条件だった。
「私が行こう」
「名無しさん、頼む。では、他の三人は、プロシュートとイルーゾォとメローネで頼む」
「了解」
リゾットの人員選択は、鏡を移動できるイルーゾォと、普段から潜入の多いプロシュート、遠隔操作のできるメローネという配置だった。

「時刻は、本日午後八時よりだ。七時には、港についているように。
あと、名無しさんの正装を購入しに行くように。俺は、用事で行けないが、彼女と多少面識のあるイルーゾォとプロシュートで頼む」
「俺は?」
「メローネは、母体探しだ」
はい。とメローネは、答えて、いつもの服で、出かけて行った。
本人曰く、こちらの方がテンションが上がるらしい。
みんながそれぞれ散らばって行った。
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