水中の廃人

□焦り
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暗殺対象と護衛らしき人物との会話を聞いて、一日が経過した頃だった。
四人は未だに作戦が練れておらず、部屋で作戦会議を行っている。

「どうするの?」
「どうするもこうするも、五日のうちの一日が過ぎてしまった。
しかも行動パターンは今日から探っていくことになる」
「俺は、今朝の早朝に母胎を母親にしてきた」
「え、いつの間に」
名無しさんは一瞬、血の気が引く感覚に襲われて、イルーゾォとプロシュートの方へ盛大に引く、それを見兼ねたイルーゾォが一言呟いた。

「今のメローネのイメージを保ちたいなら、これからあいつがすることを見ないことをお勧めする」
「どういう……」
「気になるなら見りゃわかる」
最後のプロシュートの言葉で、名無しさんの好奇心が激しくくすぐられる。
名無しさんは、これから起こることを見ようか見まいか、うずうずしているがそのことは、もう既に始まりかけていた。
イルーゾォは、せめてもという風に名無しさんに目隠しをしようとするがプロシュートに制止され、手を元の位置に戻した。

「べイビィどうだい。学習しているかい?」
メローネがそう声をかけると、パソコンに文字が浮き出る。
「とてもいいお母さん」
「ディモールトいい!その調子だベイビィよく学習しているぞ!」
「殺すとは何ですか? 」
「ディモールト! 」

唖然とする名無しさんにいつもだよと言うようにイルーゾォは肩に手を置いた。
それは、名無しさんのメローネに対するイメージが崩れたという合図のようなものだった。

「ベイビィ、これが殺すということだ。だがなベイビィこいつをまだ殺しちゃあいけない。追跡するんだ」
「わかりました。追跡を開始します」
「ディモールト!ものわかりがいいぞ!」

メローネは一連の会話が終わると、ため息を大きくついて、先ほどどこからともなく出した絵本を片付けた。
そしてメローネは、スタンドを出したまま三人の元に寄った。

「あの服着てないとイマイチテンション上げづらいんだけど?」
「仕方ねーだろ。ドレスコードあるんだしよ」
どうやらメローネは、あの奇抜な服装に思い入れがあるようで、いつもの服を要求するが、プロシュートに一蹴りされる。
その横で名無しさんは、何やら難しい顔を浮かべていた。
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