水中の廃人
□水中の廃人プロローグ
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私は、水中の廃人。
コポコポと波打つ水を今日も見つめる。そのことがどんなに孤独か、貴方はきっと知らないでしょう?
誰かがきっと見つけてくれる。そう思って、期待で高まる胸も、貴方はきっと知らないでしょう?
きっと貴方は何にも知らないのです。
私は、水中の少女。
ただ、普通の女の子になりたかっただけなのです。
みんなに蔑まれたくて、ここに生まれ落ちたのではないのですから、みんなと同んなじ地上に立ちたかっただけなのです。
みんなと違うからと言って、水中に閉じ込めたあなたたちとは、違うのです。
私は、水中の廃人。