Girlish Maiden

□Y
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「……アスカ……アスカ!起きなさい!朝食なくなっちゃうわよ!ホグズミードは行かないの!?」

誰かに揺さぶられ、飛鳥は低く呻いた。
瞼を無理矢理押し上げ、眉を寄せながら枕元に立つアリシアを見上げる。

「人相悪いわよ、アスカ」
「どうしてそんなに……元気なのよ……」
「試験が終わったのよ?ホグズミードよ?行かなくてどうするっての?」
「あぁ……行ってらっしゃい……」

飛鳥はごろりと寝返りを打ち、二度寝を決め込んだ。
アリシアは呆れた様子で部屋を出て行った。その数秒後には飛鳥は寝息を立てて眠り込んでいた。
そして、彼女が昼前に目を覚ました時にはグリフィンドール塔にはほとんど誰もいなくなっていた。

「ちょっと……寝すぎた……」

のそりと起き上がり、髪をかき上げる。
小さく欠伸をしてから飛鳥は寝間着を着替え、大広間に降りていった。

「おや、寝坊かね?ミス・イツミヤ」

玄関ホールで呪文学のフリットウィック教授に遭遇し、意外そうに驚かれる。
小鬼とのハーフである彼は飛鳥よりも身長が低いため、このホグワーツでは珍しくも飛鳥の方が見下ろす立場である。

「ちょっと疲れたみたいです。ホグズミードに行けるほど元気は有り余ってませんね」
「まだ若いのに何を言っておるのかね。……ああ、そういえば。朝食の席にいなかったなら、知らないのではないかな?」
「何をですか?」

飛鳥は首を傾げた。
フリットウィックは残念そうな表情をし、ルーピンが辞職したことを告げた。

「今朝一番に辞めたよ。私の口から言うことではないが、知っておいた方が良いと思ってね」
「そうですか……。残念ですね」
「まことに。今年こそはと思ったんだがね」

やれやれと首を振り、フリットウィックは去っていった。

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