色の消えた青春の1ページ
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茶色がかった金髪が、ふわふわと風に揺れる。
エデンの指示通り、辿り着いた場所は――
「……城?」
優羅がそう呟くのも無理はなかった。
そこには、そびえ立つ大豪邸があったのである。
ぼーっと見つめ、次元が違うなと考えつつも、そういえば遊騎の家もこれくらいあったような、と思い直した。
「まあいいや……入ろ」
ギイ、と重たい門を開ける。これもやけに豪華な作りである。
敷地内に入り、優羅は眉を下げた。
「……遠い」
目の前には庭園が広がり、かなり離れたところに家(?)の扉が見えた。
「もうやだー。帰りたい……。こーじは夜しか来ないし」
ムスッと唇をへの字にし、頬を膨らませる。
と、突然ケータイが鳴った。
「泪から……?メールだ」
メールを開くと、“嫌がって帰って来るなよ”の文章。
「るいるいーっっ!!」
何もかもお見通しか、と肩を落とし、優羅はとぼとぼ玄関へ向かった。
咲き乱れる花を眺めながら、数分かけて辿り着いた扉の前には、執事らしき人物が立っていた。
「あ、こんにちはー」
「お待ちしておりました。どうぞこちらへ」