魔界王子 BL小説

□第4話 黒き想い 
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「…お前も、友チョコか?」

「えっ…?」

言葉に詰まるウィリアム。
まさか、こんな表情で
こんなことを訊かれるなんて
思っていなかった。

「べっ、別に、
 お前と友達になった覚えは無い」

ウィリアムは
少し冷たく言い放った。

するとダンタリオンは
更に悲しそうな顔をして、

「なら、…義理か?」

と訪ねてきた。

「…お前にやる義理は無い」

「なら、どうしてだ?」

いつもとは違う
ダンタリオンに、
ウィリアムは扱いづらさを覚える。
同時に愛しさも。

「お前はバカかっ!?
 友チョコでも義理でも
 無ければ、
 消去法で解るだろうっ!」

ウィリアムが怒鳴ると、
ダンタリオンは
心底嬉しそうに、

「なら、お返しが目当てか?」

と、先程とは
打って変わって妖しげな
笑みを浮かべる。

「…違う」

「なら、何だ?
 自分の口で言って見ろ」

「………」

ダンタリオンの言葉攻めに、
恥ずかしさのあまり
ウィリアムは言葉が出ない。

「……ん…い」

「ああ?聞こえないな」

「…ほん、…ぃ」

「声が小さすぎるな。
 恥ずかしいなら、
 羞恥心を
 忘れるくらいに犯してやるぞ」

「ッ!……ほ…めぃ。
 …本命チョコだッ!!!」

思わず大きな声で
叫んでしまうウィリアム。

恐らく、周囲の
部屋の中まで響いただろう。

ウィリアム恥ずかしさの
あまり、茹でダコのように
頬が紅潮してしまう。

「よく言えたな。ご褒美だ」
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