災い転じて、恋となる。

□第5章 後悔、そして
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やってしまった…。

初めての性行為。
それも、男にバックヴァージンを
奪われてしまった。

昨日は勢いと雰囲気で、
ラブラブなムードに
なってしまったが、
よく考えると、いや、
よく考えなくても、
俺が昨日寝た相手は男。
同級生の篠山翔瑠だ。

「俺、ホントにヤったのか?」

取り敢えずベッドから出ようと、
身体を動かしてみる。

「ウッ!痛ッ!」

腰が痛い。
昨夜、何度も何度も
秘腔を突かれた。
しかし、とても気持ちが良く、
自分から煽ることもあった。

「ん…結夜、起きた?」

いや、見れば判んだろ。

「…おはよう」

取り敢えず、朝のご挨拶を。
しかし、その目線は
白いシーツに注がれている。

「おはよう」

翔瑠も返す。
そして、俺の顎を掬い上げる。

「ン!──お前っ、いきなり何を!」

不意の接吻に驚き、
結夜は仰け反る。

「何って、おはようのキス」

いや、俺は日本人なんですが!?
てか、ウインクすんじゃねぇよ。
…ちょっと、格好いい…かも?

「もう一回―ン」

「ンンッ!――アッ」

今度は深く舌を入れてくる。
歯列をなぞられる感触は、
とてつもない快感を伴った。

勿論、雄である結夜のソレは、
熱を帯び、存在を主張する。

「もうこんなになったんだ?
 いやらしいな、結夜は」

「い、いや、これは、違っ」

「違わないだろ?」

俺があたふたしている間に、
翔瑠に押し倒されてしまった。

でも、男同士ですよ?
抵抗ありませんか?
――え?昨夜は自分から欲しがってたって?
気のせいじゃあありませんか?
ええ、気のせいです。絶対。
…………………ホントだよ?
………………………だよね?
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