災い転じて、恋となる。
□第4章 Sweet Lover
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「すげっ………」
卓上に並べられたのは、
彩り鮮やかな料理の数々。
恐らくフランス料理だろう。
「遠慮なく食べて」
それは無理な話だ。
なにせ、結夜クンは
良い子だから、
他人様の物は遠慮してしまうのだ!
「いただきます!」
スミマセン。
嘘つきました。
結夜クン、思いっきり
がっついてます。
「やばっ、旨っ!」
これを全て、
翔瑠一人で作ったのだから、
驚きである。
「てかお前、
料理上手で文武両道、
さらに長身イケメンって、
世の中不公平だよな」
まったく不公平である。
まぁ、俺だって
兄貴と二人暮らしだったから
料理くらいできるし、
学力、体力も平均以上だし、
背丈だって、顔だって───
言い出したらキリが無い。
「で、どうするんだ?」
唐突に翔瑠が問う。
「モグモグ…何が?」
「お兄さんの件だ」
「モグモグ…兄貴、
モグモグ…どこ行ったか、
モグモグ…知らないし」
「……………」
「モグモグ…その内
連絡とか来るんじゃね?」
「おい」
「モグモグ…ん?」
「食うか喋るかどっちかにしろ」
「ごめ〜ん」
そんなこんなで、
俺と結夜はしばし、
お喋りに花を咲かせました。