災い転じて、恋となる。
□第2章 薔薇
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招かれて豪邸の中へと
入ったものの、
絢爛豪華で落ち着かない。
マジで乙ゲーだな…(苦笑)
「どうした?遠慮するな」
無理です。
常識的なモラリストなら、
みんな落ち着かないし
遠慮もします。
バカか?お前は。
「何か今、
失礼な事を言わなかったか?」
聞こえてた!?
てか、心を読まれた!?
「い、いや、言ってないから… 」
嘘です。
言いました。
すみません。
「ところで、
結夜の部屋だが」
そう呟きながら、
二階の廊下の突き当たりの
ドアの前で止まった。
「俺の部屋と相部屋でいいか?」
「あ、あぁ。別にいいけど」
ん?待て、相部屋?
家の豪華さに気を取られ、
上の空で返事をしたが、
今確かに『相部屋』と言ったか?
……今、可愛い女の子とだったら
いいのにな。と思いました。
申し訳ありません。
「…別の部屋とか、
空いてないわけ?」
一応聞いておく。
「空いてない。
他の部屋は
倉庫や物置、客間に
家族の部屋になっている」
「そっか」
こんなに広い家なのに、
空き部屋が無いとは。
ウチのマンションは
10階建てだが、
一部屋くらいは空いているので
この家も、と思ったのだが、
違ったようだ。
ちなみにウチのマンションは
10階×各階10部屋で、
ちょうど100部屋あります。
「荷物は適当に
置けばいいから」
そう言ってドアを翔瑠は
ドアを開けた。