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「ふぅー」
ゆっくりと、お風呂に浸かるように水に口まで沈めていると、
「柚奈はさ」
要が口を開いた。
「ん?」
要の方を見ると、特にどうといった風もなく、普通に見えたけれど、
その次にはとんでもないことを聞いてきた。
「あいつ――紡のこと、どう思ってるの?」
「!?」
動揺した私の動きに、水が跳ねた。
「どう、思ってるって――」
「まあぶっちゃけ、2人の関係はどうなのかって聞いてるんだけど」
直球。
だから、さっきみたいに、いつもみたいに、曖昧な表現が使えない。
答えるしかないの?
「えっと…………どうって言われても……その、もうずっと一緒なわけだし、その、あんまりそういうの考えてないっていうか、だってほらあまり意識したこと、なくて」
大嘘だ。
そんなの、自分が一番わかってる。
自分の気持ちだって。
「…………」
要はじっとこっちを見てくる。
「う…………」
嘘も沈黙も許されないような気がしてくる。
「か、要だってそうでしょ……? 幼馴染みの、まなかやちさきに対して、どう思ってるとかさ……」
そうだと思いついたことをそのまま口に出してみる。
けれど。
「幼馴染みだからこそ色々と思うところはあるけど……それぞれに対して、感じてることは違うよ?まなかも、ちさきも、光も」
「あ……」
そもそも幼馴染みに対して何も感じないということが嘘なんだから、要の答えは当然だった。
まさか、こんなところで。
そんな思いもよぎったし、答えるか答えないかも微妙だった。
でも。