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次の日。
たまたま、私は紡の家に寄っていた。
大した用事があったわけでも、することがあったわけでもなく、
ただいつものように紡がやらなければならない仕事で手伝えることを手伝っていた。
そこへ。
「おい!お前!」
玄関の方で聞いたことのある声がした。
あれ、今確か誰か来てたような……。
様子を見に行ってみると、驚いた顔をしている男の人がいて、そのそばで光が何故か網にかかっていた。
男の人の後ろには漁港の車が止まっている。
後ろからまなか達も来て、尻餅をついた光に心配そうに駆け寄っていた。
何がなんだか……。
すると紡のおじいさんが光に近付いてぐいっと顔を自分に向けた。
光の目をのぞきこんで、
「この目は"嵐"だ」
そう言った。
意味は、わからなかった。
そのあと、光は色々あって、男の人に殴りかかっておじいさんに投げ飛ばされた。
男の人は、光のお姉さんの恋人らしくて。
気を失った光を、紡が看病するという形で一旦は収まった。