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話の後、水浴びに行く3人に同行した。
水に入ると、エナに水が染み渡る。
その実感をもって、意外と自分のエナが乾いていたことを知った。
「光、大丈夫かな……」
ちさきが少し心配そうに呟いたけれど、
「大丈夫だよ、紡がついてるんだから」
自信をもってそう言ってあげることができた。
紡なら。
「そ、そう」
「詳しいからね」
私が誇れることではないけど。
私だって、一応は海の人間なんだから。一緒に学んだんだから。海のこと。
「随分よくわかってるんだね」
要の、主語も目的語もない言葉は、それでも何のことか自ずと知れた。
「前も言ったように、付き合いが長いからね」
私は、こういうときの決まり文句のようにそう返す。
それが一番良い。受けとる側次第に濁すのが。
「ふーん……」
要は何か納得したような、してないような反応をした。
そんな私たちの様子を見ていたちさきが、突然、
「まなか、ちょっといい?」
そう言って、そういえばずっと黙りこくっていたまなかを引っ張って私たちから離れるように岩の陰へ行ってしまった。
「?……どうしたんだろ」
「さあ」
前触れもないその行動に、何の心当
たりもない私は戸惑う。
自然、要と2人残された形だけど、まさかちさきたちを放って戻るわけにもいかないし。
待つしか、なかった。