二次小説

□bitter or sweet
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「ねぇ、凛。凛は甘いチョコの方が好き?」

「うん!あ、でも真姫ちゃんのチョコはどっちも好きにゃ」

「ありがとう。じゃあチョコを甘くする方法があるんだけど知ってる?」

「そんな方法があるの?真姫ちゃん、教えてよ〜」

「じゃあ、そのチョコ貸して?今からこっちの黒い方を甘くするから、凛は目を閉じて」

「教えてくれるんじゃないの?」

「後で教えてあげるわよ」

「はーい」

私の言葉に従って目を閉じる凛。
私はチョコパウダーの方のチョコを口に含み、凛の顎をくいっと上げ僅かに開いた唇に自分のそれを重ねた。

「っ…!ん、んンッ」

驚いて目を見開く凛の口の中へチョコを押し込んでいく。
そのまま舌を絡め凛の口の中でチョコと私達の唾液を混ぜ合わせる。

「んっ…ま、ひちゃ、んン」

私の名前を呼ぶ凛の目は潤んでいて、それがより一層私を高揚させる。

どのくらい唇を重ねていたのか分からない、長いようで短い時間だ。

「はぁ、はぁ…真姫ちゃん、いきなりはズルいにゃ…」

「どうだった?」

「え?」

「甘くなかった?」

そう聞くと凛は耳まで朱くして下を向いてしまった。
キスした後の距離を更に縮め、耳元で囁くようにもう一度問う。

「ねぇ、凛…甘くなかったかしら?」

「……よ」

「聞こえない」

「っ…おかしくなりそうなくらい、甘かった」

凛の答えに満足して「そう」とだけ告げ距離をもとに戻す。
ゆっくりと顔を上げる凛の頬に手を添え質問する。

「チョコ、まだ食べる?」


小さくコクリと頷く凛に、私はチョコを一つ口に入れた。



(今日は帰るの遅くなるわね)
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