二次小説
□bitter or sweet
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ピンポーン
呼び鈴を鳴らすとドタバタと階段を降りてくる音が聞こえた。
バタンッ
「まーきーちゃーんっ♪」
「きゃっ、ちょっと凛」
「真姫ちゃん、真姫ちゃん」
「まったくもう」
ドアが開くと同時に飛び出してきた凛に抱きつかれ呆れを感じるがやはり嬉しくもあり自然と頬が弛む。
「はい、さっさと受け取りなさいよ」
照れ隠しで少し素っ気ない言葉を出してしまうが用件を切り出す。
「うわー、これチョコレート?真姫ちゃんからの?嬉しいにゃ〜!」
飛んだり跳ねたり嬉しさを全身で表現してくれる凛。
作った甲斐があるというものだ。
凛の嬉しそうなそしてちょっとだらしのない(まあそれだけ喜んでくれてるってことだけど)笑顔を堪能し、凛も落ち着いたところで帰る旨を伝える。
「じゃあ、また明日ね」
「えー、もう帰っちゃうの?」
「チョコは渡したし、明日学校で会えるじゃない」
「やだやだ、凛は真姫ちゃんともっと一緒にいたいにゃ」
そう言って袖を掴んでくる凛。
こうなった凛はテコでも動かない。
まあでも─
「お邪魔してもいい?」
その一言でぱぁっと笑顔になる凛に此方も笑顔になる。
(私だって貴女と一緒にいたいのよ?)
そう心の中で呟いて凛の家にお邪魔した。
「今飲み物持ってくるから待っててね」
もう何度訪れたか覚えていない凛の部屋。
凛からの告白も私の返事も手を繋ぐのもキスもその先も…初めては全部この部屋だった。
好きな人がいつも過ごしている好きな人の香りがする部屋。
(はぁ…私どれだけ凛のことが好きなのよ…)
自分の考えに心の中でツッコミをいれる。
ガチャ
「お待たせしたにゃ。はい、真姫ちゃん」
そういって机の上に置かれたのは
「ガトーショコラ?」
「ちょっと形が悪くなっちゃったけど…一生懸命作ったから、その…味は大丈夫だと思うんだけど」
自信なさそうに言う凛に胸が暖かくなるのを感じた。
一口食べると程良い甘さと苦味があり、私好みの味付けだった。
「すごく美味しいわよ、凛。それに形だって悪くないし、むしろ私のあげたチョコの方がひどいわよ」
私の一言で満面の笑顔になる凛。
「良かったにゃ〜。安心したらお腹空いてきたにゃ。真姫ちゃんからもらったチョコ開けていい?」
「もちろんよ」
「あ、チョコトリュフだ。白と黒のやつが交互になっててオシャレな感じがするにゃ」
「シュガーパウダーが甘めでチョコパウダーが少しビターな感じになってるの」
「ほんとだにゃ。凛には黒い方はちょっと苦いけど白い方と食べるといい感じにゃ」
凛のその言葉に“イイコト”を思いついた。