天の星

□What your name ?
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新制度での星奪りも少しずつ落ち着いてきた。
刃友のしつこい絡みには相変わらず疲れさせられる
…が、目下の悩みは別にある。


それは─


「無道さーん」


…悩みの張本人が来たので無視する。

「綾那ー、またお姉さん来てるよー」

淫魔もついでに無視。

「無視するなんて酷いわね」

いつの間にか目の前まで来ていて笑顔でそう言われた。

「……………」

「ふぅん、まあいいわ。ここで無道さんの顔見てるから」

なおも無視し続けると前の席に座ってこっちを見てくる。
都合良く席が空いていたのは変態忍者がどうぞどうぞなんて言って譲ったからだ。

(余計なことを…)

人というのは見られていると中々落ち着かないもので…耐えきれず口開く。

「…何ですか?」

「やっと喋ったわね」

「だから何の用です?」

「別に顔を見に来ただけよ」

「毎度毎度暇なんですね」

この人はここ最近毎日のように顔を見せていた。

「あら、これでも忙しいのよ?」

「じゃあ来ないで下さい」

「いやよ」

「はぁ……」

「好きだから顔が見たいの。毎度毎度言ってるでしょう」

毎回この繰り返し。
その後はどうでもいいような会話をして予鈴が鳴って帰ってく。


次の授業の準備をしていると順が戻って来た。

「毎日飽きないね〜。もう折れちゃいなよ。むしろヤっちゃ..ゴフッ……」

腹に拳をいれて黙らせる。

「黙れ、変態淫魔」

「…手を出す前に口で言おうよ、綾那」

「間に合わん」

「全く凶暴なんだから。で、話戻すけど何で付き合わないの?」

「そういう感情はない」

「またまた冗談を。話してる時楽しそうだし、表情とか雰囲気とかね〜嫌いじゃないでしょ?」

「多分な」

「あ、そこは認めるんだ」

言い返そうとしたが教師が来たので口を閉じる。


午後はいつも以上に集中出来なかった。
順の言葉を真に受けた訳じゃない。
暇潰しに適当な後輩をからかって遊んでいるのだろう。

(刃友に相手してもらえばいいのに)

その時ふと気付いた。

─名前知らないな

元白服のいつも笑ってる人という認識でしかない。


(明日にでも聞いてみるか)
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