ディバインゲート
□IN GATE 1
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『...』
──パタン。
真っ白なワンピースから
白く細い手足が見える。
少女は読んでいた分厚い本を閉じた。
しかしその本は形を保てなくなったかのように、とけて消えた。
『きもちい。』
暖かい午後。柔らかい風。
ここはこの国の一番奥。
だあれもこない。
使用人もいない。見張りも。
彼女だけの屋敷。
『あら。』
そんなときだった。
聖なる扉<ディバインゲート>が開かれたのは。
『人間?』
ホワイトの頬が少し緩む。
目の前には机とカップが現れた。
『とびきりのお茶を用意しなくちゃ』
彼女は笑って紅茶を空中に浮かべた。