ディバインゲート

□IN GATE 1
1ページ/44ページ

『...』

──パタン。

真っ白なワンピースから
白く細い手足が見える。

少女は読んでいた分厚い本を閉じた。
しかしその本は形を保てなくなったかのように、とけて消えた。


『きもちい。』

暖かい午後。柔らかい風。


ここはこの国の一番奥。
だあれもこない。

使用人もいない。見張りも。

彼女だけの屋敷。

『あら。』

そんなときだった。

聖なる扉<ディバインゲート>が開かれたのは。

『人間?』

ホワイトの頬が少し緩む。

目の前には机とカップが現れた。

『とびきりのお茶を用意しなくちゃ』

彼女は笑って紅茶を空中に浮かべた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ