新しい日常編

□2.正直、結構お似合いだよな。
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*黒羽side



キーンコーンカーンコーン……



待ちに待ったチャイムが鳴る。

ようやく昼休みだ。


「ふわぁ……」


きのうは名無しやみんなと夜遅くまでメッセージのやりとりをしていたから、完全に寝不足だ。

楽しかったが、さすがに眠い。


「あー、ねみー…」


ダルさにまかせて机に突っ伏すと、頭上から涼しげな声が降ってきた。


「バネ、眠そうだね」


顔だけ傾けて見上げると、そこには思った通り、亮がいた。


「お前はやけにスッキリした顔してるのな」

「クスクス…。まぁね」


亮だって寝不足は同じはずなのに、なぜかそれを感じさせない。

…まぁ、こいつはいつもこんな感じであっけらかんとしてる奴だが。


「いいもの見せてあげる。
眠気なんて、一発で吹っ飛ぶよ」

「いいもの?なんだよ、一体」

「まず、これ見て」


身体を起こして、亮が指し示す端末を見る。

そこに映し出されていたのは、海の写真だった。


……?

海なんて、なんで今さら…?



「海…だよな」

「そう。今朝の海の写真だよ」

「今朝?!
お前、今日も海に行ったのか?!」

「そうだよ」

「はー…、よく起きられたな」


この海は、夜が明けて間もない海だ。

その短い間にしか、この空の色は見ることが出来ない。

だが、なんだってわざわざ…?




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