合同合宿編

□5.思い出の中の彼。【前編】(1日目・午前)
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日吉くんとミーティングルームへと戻る途中、廊下の先にバッグとかの荷物がたくさん置いてあるのが見えてきた。


あれは…もしかして山吹のかな?

あそこは山吹の部屋に続く廊下とミーティングルームへの分岐点だから、置いていったのかも。

樺地くん、迎えに行ってくれたんだ。

後でお礼言わなきゃ。


『山吹の人達、もう着いたんだね』

「………」

『日吉くん?』

「……………………」


答えがないのを不思議に思っていると、日吉くんはゆっくりと足をとめて視線を落とした。


…日吉くん、なんだか変だな。

ま、まさか…私と一緒にいるのがイヤなだけだったりして…。

まぁ実際嫌だろうけど…それでも日吉くんはさっきからずっと親切にしてくれてるし…。


あ、もしかして!


『山吹にライバルがいるとか?』

「は?」


思いっきり眉間にシワをよせる日吉くん。


あ、違ったみたい…。


『山吹の人達の荷物じっと見てたから、もしかしたらと思ったんだ。
変なこと言って、ごめんね』

「ライバル…………?
……べつに…あの人は……」


ポツリとつぶやくと、日吉くんは眉間のシワもそのままに、また歩き出した。


…やっぱりちょっと変だなぁ。




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