氷帝での出会い編

□5.硬派な先輩。
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「名無しさん、おはよう」

『あ、おはよう、鳳くん』



きのうの突然の席替えから一夜明けた。
いつまでも考え込んでいてもしょうがない。

私はこの席でがんばるぞ!と腹をくくって登校した。



そして朝練を終えてきたらしい鳳くんと、朝の挨拶。

うーん、すごく爽やかな人だ。


このちょっとした挨拶にも品を感じる。
雰囲気とか、表情とか…。

もしかしていいところのお坊ちゃんだったりするのかな?

別にどっちでもいいけど。



『鳳くん、朝練だったの?』

「うん、そうだよ」

『毎日でしょ?大変だね』

「朝練は強制じゃないんだ。自分が好きでやってることだから、楽しいよ。
でも、気遣ってくれてありがとう」


…今の最後の一言を中学生で何気なく言えるのがすごい。
こういう所が育ちがいい感じする所なのかもしれない。




――――――ガラッ。


「長太郎」



鳳くんを呼ぶ声が聞こえたと思ったと同時にわき上がる、女の子達のキャーッという声。




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