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□本当の正体は意地悪教師
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「どうして避けるんだよ」
「いや、あの」
「俺、なんかした?」
突然抱き締められたこと、先生の口調が変わったことに戸惑ってしまう。
「………」
何も言えず俯いていると、くるりと体を反転させられた。
そして無言のまま私を見つめる。
視線に耐えられず先生の胸元に目を
移し、ポツリと話した。
「別に何もないです。…先生は、関係ありません」
「俺の目見て言って」
先生は意地悪だ。
この部屋に一緒にいるだけで苦しいのに。
早く出たい。
先生の目を見て早口に告げる。
「だから、別に避けてません。先生は何も…」
「高原さん…?」
なんで…
なんで今、涙が出ちゃうの。
先生が目を見張っている。
これじゃ、尚更帰してもらえないじゃん。
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