小咄
□天にかける橋
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「やっぱり、出ないのか?」
ワッカは諦めきれず、ユウナに向かってこの日何度目かになる確認をした。
「今日は天気もいいからよ。きっと綺麗に見えるぞ?」
ユウナが何か言おうと口を開きかけたとき、誰かがワッカの肩に手を置いた。ルールーだ
った。彼女はワッカを見つめると、黙って首を横に振る。
―――そっとしといてあげましょう。
30分後、ようやく諦めたワッカとルールーが帰っていくと、ユウナは幾分ホッとして扉を閉めた。
家の窓から空を見上げる。確かに今日は天気がいい。この分だと、お祭はきっと大成功になるだろう。
今日は―――ビサイドの星祭り。