小咄

□聖なる泉
2ページ/3ページ

「あ?!」


ワッカの心底驚いた顔を久しぶりに見て、ティーダは思わず吹き出した。


「だからね―――雷平原は、私とティーダで見てくるから。だから―――」

ワッカは先にマカラーニャで降りてギップルたちに合流して欲しい。突然、ユウナがそう
言い出したのだ。言い出したのがティーダではなく、滅多に我儘を言わないユウナだけに
ワッカは訳もわからず混乱する。


「でもよ・・・"闇"が出たら2人じゃ危なくねぇか?それに雷平原は広いしよ。
 3人で見たほうが絶対、早いって―――」


―――この、鈍感。


ティーダは、ユウナの気持ちがまるでわかっていないワッカに思わず苦笑する。ワッカは
頼りになる兄貴分で、スピラにたった一人でやって来て不安だった自分をイチから面倒見
てくれたあったかい心の持ち主だけど・・・肝心なところで、ニブいよなぁ。


「大丈夫っスよ。いざとなりゃ通信スフィアがあるし。
 それとも―――ルールーが一人で持ちこたえられたのに、俺たちには無理だってこと?」

それでも尚、とまどっているワッカを見ていたずら心が芽生えてしまったティーダは、
わざとらしくため息をついてワッカに迫った。


「そっかぁ。ルールーにはできたけど、ユウナには無理かあ・・・
 ワッカは伝説の大召喚士サマをそういう風に扱うワケね。」


「いったい急に、どうしたっつうんだお前ら―――?!」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ