小咄
□ゲーム
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「ティーダのプレーはやっぱりジェクトさんに似てるよね。」
翌日。3連戦を終えてビサイドに戻ってきた俺らは、家でのんびりお茶を飲んでた。
「は?!冗談?」
あんな筋肉バカの脳みそ1mmも使ってないようなプレーと一緒にすんなよ。
そりゃ今のところキメ技のシュートだけは拝借してるけど、同じ真っ向勝負でも、
アイツと違って俺のは相手のプレーから観客の目線まで、それは緻密に計算された・・・て、アレ?
「だいたいユウナ、親父のプレー観たことないっスよね?」
「出発前に少しだけ、ザナルカンドのこと話してくれたの。
ジェクトさんのブリッツボールのお話、大好きだった。」
あり得る。親父のことだから、小さいユウナに仰々しい自慢話したんだろうな。
「なーんか、腹たってきたなぁ。」
「え?!何で?」
「親父は、俺の知らない小さい頃のユウナに会ってるってことだろ?」
そう言ってふて腐れる俺を見て、ユウナは笑う。
「最強チームのエースは、ただ勝つだけじゃダメなんだって。
魅せるプレーをしないとなって言っていたよ?」
―――は?
冗談だろ?あり得ないつーの!
俺の信条が親父のそれと同じなんて―――そんなの、聞いてない!