第1章
□ベベルにて
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けど、オレは今――ソラを誘ったことを、激しく後悔してる。
初めましてソラさん、とかなんとか言って罪のない笑顔を振り撒いたバラライが、まるで
今ちょっと思いついたみたいな顔して聞いてきやがったから――
「彼女がいまスピラで話題の、ギップルのお姫さまかい?
放蕩三昧だったギップルが今や健気にも想い続ける、赤い糸の想い人、なんだろう?」
こういう笑い方する時のコイツはほんとにタチが悪い。ヌージのやつ――バラライに何か
言いやがったな。
当のソラは全く気にしていないようで、バラライに向かって初めまして、とか笑顔で応え
ると、こっちを向いていきなりデッカイ爆弾を落とした。
「会議が終わるまで、ちょっと出てもいいですか?
修理の作業を始める時間には、ちゃんと戻ってきますから。」