第1章
□Dinner
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「・・・・・・もしかしてもうメシ、作っちゃった?」
「ん。今日は久しぶりのお休みだったから、まとめて作っちゃおうかと思って。
お礼って、また今度でも有効?」
部屋から漂う美味しそうな匂いに、ギップルは目を輝かせた。
「オレも――」
「・・・・・・へっ?」
「オレも、食っていい?」
気がついたら、ソラの部屋で2人して食卓を囲んでいた。
こないだの休みにリンのところで買ったきた赤ワインを出しながら、ソラはこの思わぬ展
開に、笑いを漏らす。
――そういえば、今まで父さん以外の誰かに自分が作った料理を食べさせようなんて思っ
たこと、なかったかも。