X−0

□召喚士
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キノコ街道まで来たブラスカたちは、思わず立ち止まった。


向こうから、ひと目で召喚士一行と分かる3人が歩いてきたのだ。何も召喚士はブラスカ
だけではないし、今のスピラで召喚士同士が行き違うことはそう珍しくもない。

それでも彼らの足を止めさせたのは――召喚士の年齢の低さだった。2人のガードは青年
と呼んでおかしくないように見えるが、召喚士は恐らく15歳を越えていないだろう・・・・・・
顔立ちが似ているところをみると、3人は兄弟なのかもしれない。

ブラスカが驚きながらも、彼らに道を譲ろうとしたその時、背後からジェクトの声がした。


「ちょっと待ちな。」

振り返ると、ジェクトがふんぞり返って腕組をしていた。ジェクトに声をかけられた召喚
士一行は、一様に驚きの表情を見せる。

当然と言えば当然――スピラでは、召喚士一行は常に最高の敬意を払われることに慣れて
いるのだ。それはたとえ召喚士が少年のような風貌をしていても関係ない。人々は、彼ら
の志と、犠牲の精神に敬意を示すのだから。


「お前、召喚士だろ?」


――おそらくこのスピラに、召喚士に向かってこんな口をきくやつはジェクト以外にいまい。

ブラスカは、いかにもジェクトらしい物言いに苦笑しながらも、事の成り行きに驚きを隠
せなかった。
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