X−0

□ブリッツボール
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その日の夜、ジェクトは眠れなかった。


――ちっ。身体がうずきやがる。ブリッツ、やりてぇなぁ・・・・・・


ごろっ


黙って寝返りを打つ。


――スピードのサイクス 対 力のゴワーズか。悪かねぇけど、俺様に言わせりゃどっち
も、いまひとつなんだよなぁ・・・・・・


試合の流れが頭をよぎる。

ここであそこのヤツがこっちに動いてたら。あの時は、パスじゃなくてシュートにいくべ
きだったんだ――そこまで考えてジェクトは笑った。

――俺は根っからのブリッツバカ、ってワケだ。


このままでは眠れそうにもないので、ジェクトは2人を起こさないようにそっと起き上が
ると、剣を片手に、外へ出た。




その様子を静かに見守っている者がいたとは――気づく由もない。
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