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□はじまりのはじまり
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「なぁ――」


ジェクトはアーロンを振り返った。

「お前が思ってるほど、ブラスカはいい子ちゃんじゃねぇよ。」

アーロンは苦虫を噛み潰したような顔でジェクトを無視する。


「考えてもみろって?俺を牢屋から出してくれたのは、別に強さをあてこんだってわけ
 じゃねぇ。妙なこと言って騒いでる変な男の噂を聞いて、興味がわいたってとこだな。
 お前のこともそうだよ、アーロン。」

ジェクトはニヤリと笑った。


「お偉いさんの娘との縁談を断ったんだってな?ベベルに居場所のないお前を連れてって
 やるかとでも思ったんだろう。結局俺達は3人とも――似たもの同士、ってワケだ。」


アーロンは、この男のことが大嫌いだった。ある日突然やってきて、こっちの都合なんか
お構いなしに、自分たちのことをかき回す――本当に、自分勝手で嫌なヤツだ。


それにこの男は――いつだって見たくもない"真実"を突きつけてくる。
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