DIRGE of CERBERUS episode TURKS

□V.始動
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【カーム】

「・・・・・・元気そうだな。」


背後から声をかけられたツォンは、前を向いたまま背筋を伸ばした。この人に会う時は、
いつも心地よい緊張感がある。

「お久しぶりです。」

その人物はさっと前に回り込むと、ツォンの向かいの席についた。テーブルの上には、ウ
ェイターに邪魔されないようにとツォンが予め頼んでおいた、バーボンのグラスが2つ。

2人は黙ってグラスを傾ける。


「――で?何が知りたいんだ?」

「・・・・・・。」

「ジュノンの事件か?」

「さすがですね。」


ツォンは密かに舌を巻いた。彼がタークスを離れて随分になるのに、相変わらず耳が早い。


「"あれ"が――現れたのかもしれん。」

「――――――?」

「ディープグラウンドソルジャー。俺も耳にはさんだことがあるだけだがな。」

「ディープグラウンド・・・・・・?何者ですか?」

「俺も詳しいことは知らない。ハイデッカーやスカーレットの管轄だったはずだ。」

「"かつて神羅にあった闇の軍隊"・・・・・・」

「――リーブにでも聞いたか?」

「・・・・・・。」

「すまない。タークスの主任たるお前が、情報源を漏らせるはずもないな。」
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