小咄 A
□Tifa
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「いい加減にしないと、誰かにとられちゃうよ?」
「え――?!」
突然の否定に、ティファは目を丸くする。今日のセブンスヘブンは客も少なく――店内は
キリエとエヴァンの2人だけだった。大して仕事もないのか、2人はコーヒー1杯でグズ
グズしている。
「なんのこと?」
「わかってるくせに。」
「わからないよ。」
「ク・ラ・ウ・ド。配達の仕事で街中を回ってるじゃない?人気、あるみたいよ?それな
りに。」
「・・・・・・。」
――そりゃ、私だって・・・・・・でも最近のクラウドは仕事、仕事ってそればっかりで、そも
そも全然、家にいないんだから。それに――
「はいはい、人の心配はいいから!
2人ともいい加減、まともな仕事しなさいよ?」
「え〜、ちょっとズルい!
ウチらお客さんだよ〜?!」
口をとがらせ不満を口にするキリエと、相変わらず無口なエヴァンをエッジの街に送り出
しながら、ティファは人知れずため息をついた。