小咄 A

□Rude
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「なぁ、勝負しねぇ?」

「・・・・・・。」

「俺とお前、どっちがマテリア先にゲットできるか競争しようぜ。」


――めんどくさいことになったな。


ため息も隠さず、足を速めて歩くルードに、しかし男はまったく悪びれる様子もない。


「お前が負けたらマテリアは俺がいただく。
 その代わり俺が負けたら――お前に、最高のスリルをやるよ。」


その言葉が、ルードの足をピタリと止めた。

「スリル・・・・・・?」

「ま、それは後のお楽しみ、ってやつだな。」


昔から、スリルという言葉には滅法弱い。しかも男は返事も聞かずに勝手に走り出したか
ら、結局ルードは、得体の知れないこの男と、勝負するハメになってしまった。
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