小咄 A
□Zack
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「エアリス?」
「あれ?どうしたの?なんかあった?」
「そっちからかけてきたんだろ?」
「声。」
「――え?」
「なんか、声がいつもと違う。」
なんで・・・・・・この子にはわかっちゃうんだろうな。
「ちょっとな。」
「言えない?」
「まぁね。極秘任務ってやつ。」
「そっか。」
「でもエアリスの声聞いたら、気分良くなった。」
「ほんとに?」
頼むから・・・・・・俺の言葉ひとつで、そんな嬉しそうな声出さないでくれよ。
俺は英雄に――なりたい。それだけはずっと前から心に決まってる。けど俺のことを"ただ
のザックス"として見てくれるエアリスの声は、不思議なほど、俺を安心させる。ソルジャ
ーって何なんだよって、ここ最近ずっと、心のどこかに抱いていた不安も、吹き飛ばす勢い。
エッサイやセバスチャンにも、こんな幸せがあったんだろうか・・・・・・?
「もしもーし?ザックス?」