小咄 A
□Zack
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――声、聞きたいな・・・・・・
今日の任務はキツかった。
英雄になりたくて――セフィロスみたいなソルジャーになりたくて。だから戦うことは嫌
いじゃないんだ。でも仲間を失うのは、やっぱり辛い。自分がヘマして橋の下に落とされ
てる間に、仲間がやられたとなったら尚更だ。
セバスチャン・・・・・・エッサイ・・・・・・一緒に戦えなくて、ごめん。
こういう日は、どうしようもなくあの子の声を聞きたくなる。俺の瞳をまっすぐ見て、怖
くないと言ったあの子の声。
PiPiPiPiPiPiPiPi・・・・・・!
思わず期待して画面を開いた。期待しちゃうに、決まってるじゃん?
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〈カンセル〉
sub:伝言
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エアリスに伝言頼まれた。
「花売りワゴン、いつにな
ったら作ってくれるの?」
だってさ。俺が代わりに作
ってやろうかって言ったら、
ザックスと約束したからい
いって。うらやましいぞ。
だから早く帰って来い。
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何だよ、カンセルか。
エアリスの声が聞きたいんだっつうの。
「はは。ははは・・・・・・」
気づいたら、弱弱しく笑った俺の目に涙が浮かんでいた。