小咄 A
□Spira
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「ねぇ――ザックスってどんな人?」
「会ったことあるだろ?ソルジャー、クラス1st」
「それは知ってる。私が知りたいのは、ソルジャーのザックスじゃなくて、クラウドと親
友のザックス。」
「ソルジャー、クラス1st。」
「だか――」
「強くて明るくて、誰にでも優しくて――心に夢と誇りを抱いてた。
ザックスは、俺が憧れてたソルジャーそのもの。ああ、でも――」
クラウドは思い出したように、口の端に小さな笑みをもらした。
「なに?」
「ティファも知ってるだろ?ゴンガガ出身。
俺たちとおんなじ、田舎生まれだから、辺境には強い。」
「なるほど。」
「何だ?」
急いで首をふるティファ。
「ううんっ。なんでもないっ。」
「変なティファ。」
クラウドは再び声を出さずに笑った。
「ね。私の初恋、誰か知ってる?」
「え――あ――さぁ・・・・・・?」
「ひっどーい!それ、本気で言ってる?」
うろたえるクラウドに詰め寄りながら、ティファは、頭上の空気がキラリと光ったような
気がして上を向いた。
――初恋、かなったんだね。よかったね。