第1章
□epilogue
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「あっぢぃ・・・・・・」
ギップルとソラはその日、砂漠に来ていた。
ベベルでの無断外泊に怒りが収まらないナーダラは、今日になって、行方不明になったサ
ボテンダー探しを2人に押しつけてきたのだ。
「――冗談だろ?」
「本気、みたいね・・・・・・」
普段は姉御肌で優しいナーダラの、有無を言わせぬ冷たい目線を浴びた2人は他に選択肢
がないのを悟った。
2人のことを弟と妹のようにかわいがっていたナーダラは、連絡がないのがあの事故の直
後だっただけに、回復しきっていないソラの体調や心理状態を考えると何かあったのかも
しれないと気が気ではなく、かと言ってバラライに連絡するわけにもいかず、眠れぬ夜を
過ごしたのだ。
翌朝、仲が良さそうに帰ってきた2人を見たら心底ほっとしたものの、そう簡単に許して
やる気にはならなかった。
「さっさとしないと日が暮れるぞ。」
それだけ言うと、2人の言い訳も聞かずに、発掘現場へ出かけていった――