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□epilogue
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ブラスカからジェクトへ――
すまない。
君には、謝っても謝りきれない。
心のどこかでは、分かっていたんだ。究極召喚を成し遂げて帰ってこなかったのは、何も
召喚士だけじゃない。
私は知っている――スピラの誰より、君は生きたがっていた。
スピラの人々は、諦めるのがうまいんだ。生まれたときから、シンと共に暮らしているか
らね。でも君は・・・・・・一分の隙もないほど、生を渇望していた。生きてザナルカンドに―
―家族の元に帰ることを。
ジェクト――そんなにも帰りたがっていた君を、道連れにして本当にすまない。スピラに
は何の責任もない君を巻き込んだ。君の優しさにつけこんだ――そう謗られても言い訳は
できない。
でも――もしかしたらスピラで一番の親友とも言える君という犠牲をはらってでも――守
りたいものが、私にはあったんだ。
わかってる。君は、そんなこと何でもねえって笑うんだろう?最後は華々しくいこうぜっ
て、豪快に笑いとばす君が見えるようだ。
君と一緒に旅をできて本当に楽しかった。同年代でお互い子供も一人・・・・・・私とユウナ、
それに君とティーダくんの4人で食事でもできたら、きっと楽しかっただろうね。もう少
し、君と一緒に旅を続けていたかったよ。
ああ、もう時間がない――最後にもう一度だけ、謝らせてくれ。君を家族の元に帰してや
れなくて、ほんとうにすまない――