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□霊峰ガガゼド
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ジェクトは、火に当たりながら自分の右手をじっと見つめていた。
――ブリッツボール、やってねぇなぁ・・・・・・
その思いを察したかのように、ブラスカが声をかける。
「ジェクト。ザナルカンドの話を聞かせてくれないか?」
「何だ?急に?」
「目指すザナルカンドはもうすぐだ。
その前に、君の――君のザナルカンドの話を、どうしても聞いておきたい。」
傍にいたアーロンも珍しく興味を示した。
「ルカよりも人が溢れかえってるなんて、どうしても信じがたい――」
「はっ。ルカだと?比べものにならねぇな!
オレの知ってるザナルカンドは、夢と娯楽の『眠らない街』だ!」
「ルカにもブリッツスタジアムはあるし、年中ブリッツの試合が行われて大歓声だ。一体
何が違うと言うんだ・・・・・・?」
ジェクトの目は今や目の前の火を見ていなかった。彼が見つめていたのはザナルカンド、
ブリッツスタジアムで今まさに、試合が始まろうとしていた――