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□過去
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「なぁ――ブラスカの嫁さんってどんなだ?」

「ぶほっ・・・・・・ごほっ・・・・・・ごほっ。」


アーロンは思わず口にしかけていた飲み物を吹き出した。

「酔っているのか?ジェクト。」

「んなわけねぇだろう!オレがずっと酒我慢してんの、知ってんだろうが。」

「どうだか――」


本当は、ジェクトがあれ以来ひと口も酒を口にしていないことは百も承知だった。だが、
この男としゃべっていると、どうにも憎まれ口をききたくなる――

ドアの方をチラリと見たジェクトが質問を続ける。


「会ったことあんのか?」

「あ?!ああ、ない。」

「でもよ、異界で見たんだろ?どんなだった?別嬪さんか?」

「キレイな方だったよ。」

「それだけか?」


その時、ジェクトとアーロンは背後にぞくりと寒気を感じて思わず背筋を伸ばした。

「気の強い、女だったよ――」


振り返るまでもない。2人の会話を聞いていたブラスカだった。
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