X−0

□それぞれの迷い
1ページ/5ページ

「もしかしてアンタ・・・・・・怖いのか?」


返事もせずに黙って走るジェクトを、アーロンは呆れ顔で見ていた。

「分かってるだろうが、これだけの数の避雷塔だ。まず雷にあたることはない。」

「・・・・・・。」

「さっきのは、誰が見たってまぐれ当たりだぞ?」

「・・・・・・。」

それでもジェクトは何も答えず、目線を上にしたまま黙々と走り続ける。アーロンは、つ
いに会話することを諦めた。

「勝手にしろ。」


一向に返事をしないジェクトを見て、ブラスカはたまらず吹き出す。

「水性魔物は雷に弱いと言うじゃないか、アーロン。」

「なんだとコラァ!」


ジェクトが振り返った瞬間、どこかに雷が落ちた。

思わずビクっとするジェクトを見て、ブラスカがまた笑った。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ