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□それぞれの迷い
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「もしかしてアンタ・・・・・・怖いのか?」
返事もせずに黙って走るジェクトを、アーロンは呆れ顔で見ていた。
「分かってるだろうが、これだけの数の避雷塔だ。まず雷にあたることはない。」
「・・・・・・。」
「さっきのは、誰が見たってまぐれ当たりだぞ?」
「・・・・・・。」
それでもジェクトは何も答えず、目線を上にしたまま黙々と走り続ける。アーロンは、つ
いに会話することを諦めた。
「勝手にしろ。」
一向に返事をしないジェクトを見て、ブラスカはたまらず吹き出す。
「水性魔物は雷に弱いと言うじゃないか、アーロン。」
「なんだとコラァ!」
ジェクトが振り返った瞬間、どこかに雷が落ちた。
思わずビクっとするジェクトを見て、ブラスカがまた笑った。