DIRGE of CERBERUS episode TURKS

□V.始動
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帰り際、ヴェルドがふと足を止めた。


「ところで、あいつは大丈夫なのか?」

「・・・・・・レノですか?」

「・・・・・・。」



『後は俺がすべて引き受ける。』


今でもツォンは、あの時のヴェルドの言葉を忘れない。

8年前――あのニブルヘイム事件で、セフィロスに火を放たれた村の隠蔽工作を任された
タークスは、一様に拒否反応を示した――ツォンでさえ。中でも一番強く拒絶したのはレ
ノだった。

あのとき部下を思い、たった一人で汚れ仕事を引き受けたヴェルドだけに、密かにターク
スを離れた後、レノが7番街テロの実行犯を任されたと知って気にかけていたに違いない。



「・・・・・・レノはタークスです。」

「そうか。愚問だったな。悪かった。」

それだけ言うと、ヴェルドは夜の闇に紛れて出ていった。
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