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□召喚士
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「ちっくしょー!
なぁ、俺らホントにシンに勝てるのか?」
「まさかアンタ、ブラスカ様を信じてないのか?」
「けどよぉ、シンはコイツより強いんだろ?」
「――そうなるね。」
ジェクトとアーロンの会話を聞いていたブラスカが笑って口を挟んだ。いくら強敵とはい
え、その辺の魔物とシンを比べたやつは初めてだ。
ビサイドで召喚獣を手に入れた彼らは、ベベルへと戻る道すがら再びチョコボイーターに
挑み、情けないことにまた崖下に落とされてしまったのだ。負けず嫌いのジェクトは、自
分より強い魔物を放ったらかして先へ進むのはイヤだったが、一刻も早くザナルカンドへ
辿り着かなければいけないこともまた、承知していた。
「その究極召喚ってやつは、そんなに強いのか?」
「私の心の強さを――信じてもらうほかないね。」
ブラスカに強い瞳でそう言われては、ジェクトも黙るしかなかった。
「なぁに、ザナルカンドまではまだある!日々精進しようじゃないか!」
しかし、ジェクトはすっきりしない。
「シンのやつをやっつけたら、絶対ミヘン街道まで戻ってきてやる――」